ある日の深夜、残業を終えて帰宅する途中のことでした。仕事が忙しく、家に着くころには時計の針が1時を過ぎていました。普段なら賑やかな通りも、この時間になるとまるで別の場所のように静まり返り、唯一の音は私の自転車のタイヤがアスファルトをこする音だけ。心なしか、少し肌寒ささえ感じるような夜でした。
自宅までの近道は、古びた公園の中を通る道です。その公園は昼間でもほとんど人が訪れない場所で、夜には街灯もまばら。できれば避けたい場所でしたが、疲れていた私は少しでも早く家に帰りたくて、公園の小道に入ってしまいました。
自転車を押しながら歩き出してすぐ、背後からかすかな足音が聞こえてきました。最初は風の音かと気にしないようにしましたが、その足音は私が止まると止まり、歩き出すとまたついてくるように聞こえたのです。暗闇に目を凝らして振り返りましたが、見えるのは闇に浮かぶ遊具や木々の影だけで、誰もいないように思えました。
しかし、再び歩き出した途端、その足音は再開しました。しかも、私が少し早足になると、まるでそれに合わせるかのようにペースを上げてついてきます。鳥肌が立ち、全身が強張って、心臓の鼓動が耳に響くほど大きく感じました。怖くなった私は、一気に自転車に乗り込み、振り返ることなく全速力で公園を抜け出しました。
やっとの思いで公園の出口にたどり着き、ようやく振り返りましたが、誰もいませんでした。少し安心して再び自転車を押して歩き始めると、またあの足音が聞こえてきたのです。心臓が止まるかと思うほどの恐怖で、何度も振り返りましたが、そこには影すらありませんでした。
家に帰りついたときには汗だくで、頭が真っ白になっていました。それ以来、夜中にその公園を通ることはやめ、遠回りして帰るようにしています。周囲の友人にこの話をしたところ、同じように夜中にその公園で奇妙な気配を感じた人もいるとのこと。あの公園には何かあるのかもしれないと思うと、今でも背筋が寒くなります。
皆さんは、一人で体験した怖い話はありますか?夜道で奇妙な気配を感じたり、普段通り慣れた場所が異様に感じられたりしたことがあれば、ぜひその話を教えてください。